慰謝料や財産分与には「一定のルール」がある
1 財産分与
離婚において支払われる「金銭」には、慰謝料と財産分与のほか、未成年の子供たちに対する「養育費と離婚成立までの生活費」があります
いずれにしても「一定のルール」したがって、その金額が算定されます
一時払いにせよ、分割にせよ、相手への支払いは「通常現金(振込も含む)」で行われますが、取り決めた金額が「高額な場合」「給付者(支払う側)の資産が不動産しかない」という場合には、「財産分与」としてそのまま「不動産を引き渡すこと」もあります。
しかし、この場合、給付者に「譲渡所得税」や「贈与税」が課されることもあるので、ご注意ください。
2 養育費について
また、養育費については、子供が「何歳になるまで」支払えば良いのか、また「その支払い期間」が問題になります
主な考え方は、①義務教育終了まで②満18歳まで③高校卒業まで④大学や専門学校卒業までの4つですが、最近では「④の大学卒業まで」養育費を支払うケースが増えて行っているのではないでしょうか?
未成年の子供たちは、父母のどちらに引き取られたかは関わりなく、原則として「収入の多い親の生活レベル」で暮らせるように、「養育費の請求ができる」事になります。
また、養育費の金額や期間は、一度決めたら「絶対変更できない」わけではなく、双方の事情や「社会情勢」の変化により帰る事も出来ます。
この場合、「話し合いで変更できない」ならば、「調停等」で養育費の増減を請求すれば良いのです。
3 婚姻費用分担請求(別居中の生活費)
なお、結婚中の生活費は、それぞれの収入等にあわせて分担することになっています(民法760条)
そこで、相手に一定の収入が無ければ、たとえ離婚を前提として別居中でも、離婚が成立するまでは、「原則として」相手の生活費を負担しなければならないのです。
つまり、仮に「専業主婦の奥様」が不倫の上、「勝手に別居を開始」し、お子様を連れて「何処かに別居」し始めたとしましょう。
その場合、感情的には「勝手にしろ」と思い、「生活費を支払ってあげること」すら考えない方もいらっしゃるでしょう。
しかしながら、この規定によれば「支払う義務」が生じますため、「その理由いかん」に問わず、ひとまずは「生活費」つまり「婚姻費用」を支払う必要がございます
4 不倫した側の「勝手な別居」にも「生活費を支払う義務」がある
万が一、不倫が事実で、勝手に出て行かれた好き勝手されたうえで「生活費まで自分の分と二重に必要」となれば、納得がいかない方の方が多いのではないでしょうか?
ただ、これが「法の規定によるもの」であれば、致し方無いと言わざるを得ません
5 不倫の証拠があった場合
しかし、「不倫の証拠」があれば如何でしょうか?
先に述べました、「民法第770条」に定める「離婚理由」の中に「第2号 配偶者から「悪意で遺棄」された時」とあります
これは「悪意」つまり「同意なく」「自分勝手な理由」をもって、「遺棄」つまり「捨てられた事」を意味します。
つまり「別居」は事実として、不倫の事実を「立証」出来れば、「その別居は正当ではなく」もし、別居理由を「被害者のせいで」等と謳っていた場合、「悪意の遺棄」が証明されることとなります。
何事も証拠ありきという事でしょう
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