営業社員の素行調査
相談者:50代男性
対象者:30代男性
関係性:労使関係
相談内容
はじめまして、私は熊本県山鹿市で製造業を営んでいる者です。
実は、弊社で営業社員として雇用している人物に、良からぬ噂が立っており、事実関係をはっきりさせるために素行調査を依頼しようと思い、お伺いしました。
その社員は、私が以前他社で営業部の管理職をしていた時に部下として共に働いていた人物で、成績も優秀でクライアント側からの評判も良かったので、独立する際に引き抜いたほどの人材です。
しかし、半年ほど前から弊社で取り扱っている開発素材関係の模造品が出回っているとの噂を聞きつけるようになりました。
弊社は、クライアント側からの受注だけでなく、素材等の自社開発も並行して行っているのですが、僭越ながら業界としては低コストで作成できる開発を行い、まさに商品化する状態の時に、類似品が開発されているとの噂を聞きつけました。
それは、弊社が原材料を仕入れている取引先の社長からのご助言で、狭い業界ならではの親切心からかと思います。
社長いわく「そちらで開発されているのも知っているし、どの様な商品化まではくわしく知らないけど、特殊な材料なので御社以外に仕入れる方はいない。その状態で業界でも倒産間近と言われていたある会社が、先々月から同じ材料を仕入れ出したのでおかしいと思っていたのです」と仰っていました。
そこで、当該社員の部下等にそれとなく聞き取りを行ったところ、最近は新規開拓もせず、もっぱらどこかの企業に入り浸っているらしいとの噂を複数の社員から聞き取ることができました。
さらに、最近、お金に厳しかった当該社員が、飲食やパチンコなどの遊興費に多額のお金をつぎ込んでいるとの情報も入手しました。
以前、ギャンブルで借金を抱えており、その借金を肩代わりする形で引き抜いて、厚遇で雇用している経緯があり、二度とギャンブルには手を出さないと誓約書も書かせているほどです。
あくまでも、現時点では推測の域を出ませんが、競合他社の急な変遷や、社員の生活ぶりの変化から予測すると、最悪の事態も予想されます。
まずは、事実を確認し、接触が確認できた時点で、当該社員から聞き取りを実施し、場合によっては刑事告訴も辞さない構えです。
ただ、素人判断で下手に動けば、昨今はプライバシーの侵害等で逆に訴えられかねません。
そこで、御社の様なプロにお任せしたいのですが、弊社の営業社員の素行調査は依頼できますでしょうか?
調査結果
依頼者との協議の結果、2週間にわたる早朝から夜間までの素行調査を実施することとした。
結果、相手企業として情報提供を頂いていた企業の「代表者」と風体が酷似している男性及び社員と思われる男性と、熊本市中央区にあるファミリーレストランで合流する様子を確認する。
対象者が、「依頼者企業のロゴ入り」の茶封筒を相手方に手渡す様子を確認。
その後、相手方から「金融機関で配布されるタイプの封筒」を受け取り、内在している「現金」を数える様子を確認する。
対象者らは、当該ファミレスで食事をしていたことから、場所移動はせず、当該店舗から分れて移動する可能性があるため、依頼者に連絡の上、調査員の増員契約を結び、2班体制に増員。
対象者と相手企業側それぞれを追尾することとした。
相手企業側は、依頼者からの事前情報通り、懸念していた企業の社屋に戻る様子を確認する。
対象者は、ファミレスを後にして以降、近隣のパチンコ店に入り、「終業時間一杯」までスロットに興じる様子を確認する。
その後、対象者は、会社に戻り残務整理をすると、会社を出る様子を確認する。
以降は、自己車両にて帰宅する様子を確認する。
以降の平日で2度同様の会合の内容を確認。
また、それ以外に勤務時間中におけるパチンコ並びに麻雀等勤務以外の私的行為を毎日確認する。
営業活動はほぼ行っておらず、基本的に既存客への訪問のみで、それ以外は常時車内休憩または飲食、賭け事に興じている様子を確認する。
依頼者に上記内容を報告し、調査終了することとした。
お客様の声
長期間の調査、ありがとうございました。
やはり、懸念していた通りの相手と接触していましたね。
弊社の弁護士を通じて、当該社員に対しては「懲戒解雇」を通知し、正式に決定するまでは自宅謹慎を申し渡しています。
また、弁護士を通じて、「相手企業に渡したもの」を聞き出したところ、やはり弊社で開発を進めている素材の関係書類を逐次流していたようです。
もちろん、不正競争防止法に基づいて「指し止め」および「損害賠償請求」をする旨を伝えています。
現在、相手方に弁護士を通じて聴取中ですが、なんとか言い逃れをしようとしているようですが、御社が採取していただきました写真と動画により、ぐうの音も出ない状態になっているそうです。
おそらく、損害賠償の金額を減額してもらうよう懇願に来ると思いますが、絶対に応じるつもりはありません。
また、相手方が認めた時点で、社員に対しては「業務上横領」ならびに「不正競争防止法違反」で、相手方企業には「不正競争防止法違反」でそれぞれ告訴する方針です。
初めは、なんとか穏便にことを済ませようかとも思ったのですが、聞き取りに立強いて最初から認めずに、言い逃れしようとしたことで私の堪忍袋の緒が切れました。
ただ、ここまで難儀無く進めたのも全て御社のおかげだと思っています。
急な話しで、かつ長期間にわたる調査で素行調査により結果を出していただき、本当にありがとうございます。
貴社のますますのご発展を祈念しております。
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